はじめに
↓の記事でも説明したように、2020年度(2021年1月)に実施される共通テストでは、国語と数学に記述式の問題が出題されます!
記述式と言ってもどんな問題がでるの?
具体的にどんな問題?
大学側は記述式の問題は点数化しないって聞いたけど?
今回はそんな疑問に答えていけたらと思います!
センター試験から国語はどう変わる?
- 20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度で記述する問題が計3題出題する大問が一つ追加。
- よって大問数が4問→5問に変更されます。
- 試験時間が80分→100分に変更されます。
具体的にどんな問題?
試行調査を例に見てみましょう。
感じをつかんでもらうことが目的なので、読解する資料は割愛します。
2つの関連性のある資料を読んで以下の問題に答えます。
問 1
【文章I】の傍線部A「指差しが魔法のような力を発揮する」とは、どういうことか。三十字以内で書け(句読点を含む)
問 2
「ヒトはどのように言語を習得していくのか」という問題について考えを進めたまことさんは、【文章I】の傍線部B「初期の指差しは、言語習得のひとつの重要な要素をなしている」ことについて、【文章II】に詳しく述べられていることに気付いた。そこで、【文章II】の内容を基に、子どもが「初期の指差し」によって言語を習得しようとする一般的な過程を次のようにノートに整理してみた。その過程が明らかになるように、空欄に当てはまる内容を四十字以内で書け(句読点を含む)
【 初期の指差しと言語習得】
ある単語を耳にする。
↓
子どもは無数の候補の中から適切な一つを選ぶ必要が生じる。
しかも大人は
↓
だから子どもは積極的に指差しをする。
問3
「ヒトの指差し」と指示語についても考えたまことさんは、次の【資料】を見つけ、傍線部「指さされたものが、話し手が示したいものと同一視できないケース」があることを知った。まことさんは、「話し手が地図上の地点を指さす」行為もこのケースに当てはまることに気付き、【文章I】と【文章II】に記された「指差し」の特徴から、なぜ「同一視できないケース」でも「話し手が示したいもの」を理解できるのかについての考えをまとめることにした。まことさんは、どのようにまとめたと考えられるか。後の1.〜4.を満たすように書け。
(ここでは【資料】は割愛)
- 二つの文に分けて、全体を八十字以上、百二十字以内で書くこと(句読点を含む)。
- 一文目は、「話し手が地図上の地点を指さす」行為が「指さされたものが、話し手が示したいものと同一視できないケース」であることを、【資料】に示されたメニューの例に当てはめて書くこと。
- 二文目は、聞き手が「話し手が示したいもの」を理解できる理由について書くこと。ただし、話し手と聞き手が地図の読み方について共通の理解をもっているという前提は書かなくてよい。
- 二文目は、「それが理解できるのは」で書き始め、「からである。」という文末で結ぶこと。
どうでしょう。感じはつかんでいただけましたでしょうか?
まとめると
複数の文章を読み解き、情報を比較・関連させ、そこから導くことができる解を答えるという問題
になると思います。
実際の問題はリンク先にあります。
ちなみに解答用紙はこんな感じ。
センター試験から数学はどう変わる?
- 数学Ⅰの範囲から、数式を書かせる問題を3題追加。
- 試験時間を60分から70分に延長。
具体的にどんな問題?
これも2018年度に行われた試行調査を例に見てみましょう。
数学は国語と違い、各大問の一部が記述式です。
こちらも感じをつかんでもらうことが目的なので、前後の問題を割愛します。
★最初のa,b,cの値を変更して,下の図2のようなグラフを表示させた。このとき,a,cの値をこのまま変えずに,bの値だけを変化させても,頂点は第1象限および第2象限には移動しなかった。
その理由を,頂点のy座標についての不等式を用いて説明せよ。解答は,解答欄に記述せよ。
大学側はどういった活用をする?
どういった問題が出題されるかはわかったところで、実際大学側はこの記述式の問題をどのように活用するのでしょうか。
2019年5月31日に発表された文部科学省の調査によると以下のようにまとめられます。
- 数学については記述式マーク式関係なく、総合点を参照するという大学がほとんどです。
- 一方で、国語の記述式の問題についてはその部分の点数は加味せずマーク式の問題のみ扱うという大学もあります。
- ただ、7割弱の大学がまだ活用方針を決めていないというのが実情です。
文部科学省はいぜんとして方針定めていない大学には早急に決定するよう、要望書を送付するとのことです。
ただ、東北大学のように、「基本的に記述式は加味せず、同一点数で並んだ場合参考にする。」と発表している大学もあります。
受験生は各々が志望する大学がどのような発表をするのか常にアンテナを張っていきましょう!
さいごに
いかがでしたしょうか・・・。
実際のところ各大学の方針は全然決まっていません。
とはいえ、今回挙げた例を知っているのと知っていないのとでは雲泥の差になりますので、しっかり抑えておきましょう!